のぼりポンジーは伝統的なものなので、その目的や役割も変わらないと
思っている人もいるでしょう。しかし、実際には今と昔の意味合いは違うので
注意してください。
たいていの人はのぼりポンジーを見かけると、呼び込みのために
設置しているような印象を受けます。これは正解なのですが、
昔から商売で使われていたわけではありません。
今と違って情報の周囲が主な目的であり、そこに営利目的が含まれていないケースも
多くありました。別の表現を用いると目印に他ならず、たとえば手前が味方というように、
戦場で敵と区別するために使われることもよくありました。
そのため、ポンジーに描かれる内容として多かったのは家紋です。
そうすることで自陣のモチベーションを高めるという意味合いもあります。
大きく掲げた状態で、勇猛な雄たけびをあげることで、全員の士気を一気に高められるのです。
戦国時代のドラマや映画を見れば、そのような様子がよく描写されています。
これは当時の常識であり、このスタイル以外で戦に臨んでいた武将はいないかもしれません。
それだけのインパクトを呼び起こすものが、現代では呼び込みという
別の用途に使われているというわけです。
意味合いだけでなく、生地の変化を把握しておくことも大切です。
正しく知っていると、用途に合わせて選択しやすくなるというメリットもあります。
基本的に設置場所は風を受けやすい場所であるため、それに耐えうるものを
使用しなければなりません。それは時代が変わっても同様であり、
かつては木綿などの天然素材が多くを占めていました。
それが現代ではポリエステル製の割合が高くなっており、天然素材は少数派となっています。
いずれにせよアピール力が大事であり、薄すぎるとインパクトが弱くなりかねません。
とはいえ、厚くしすぎると、次は躍動感が減って存在感が小さくなってしまいます。
よって、ほどよいバランスを実現することがポイントで、
それは生地の変化に左右されるものではありません。
上記の方針で臨めば、木綿とポリエステルのどちらでも品質を高められます。
ただし、木綿と違って、ポリエステルは種類によって重さが異なります。
したがって、それぞれの特性を理解したうえで選択することが不可欠です。
街中では9割以上にポリエステルが使われており、木綿は必然性があるときのみ
使われるようになりました。フルカラーではないタイプも多いので、
事前に確認しておきましょう。